ヨットとは
ヨット【yacht】
帆に風を受けて走る船(セールボート:sailboat)のみならず、個人で所有する小型の客船をメガ・ヨット、スーパー・ヨットなどと称するように、業務では使わない趣味やスポーツで乗る船艇を広くヨットと呼ぶ。ただし、日本ではマストにセールを展開...
ディンギー【dinghy】
小船(こぶね)全般の総称。漢字にすれば舟。中でもセーリングできるものがセーリング・ディンギーだが、日本では単にディンギーというとセーリング・ディンギーを指すことが多い。ディンギー・セーラーといえばセーリング・ディンギーに乗る人。レーシング...
クルーザー【cruiser】
居住設備を備えてクルージング(巡航)を行うプレジャーボート。キャビン付きモーターボートを「モーター・クルーザー」、キャビン付きセーリング・ボートを「セーリング・クルーザー」と呼び分ける。本来は、巡洋艦のことを指す。
リブ【RIB】
Rigid-hulled inflatable boatの略。アルミニウムやFRP製のハルに、インフレータブル(空気を充填した)チューブを組み合わせたモーターボート。硬質のハルによる高い航走性能と、大きな浮力を持つチューブによる優れた安定...
ヨットの構造
せんこく【船殻】
造船の世界で船殻設計というと構造設計が中心になるようだが、ヨット(に乗る方)の世界では船殻(=ハル)といえば船体外殻で、その内側にフレームなどの構造物が備わると船殻という意識になる。
リグ【rig】
マストやブーム、それを支えるステイ類を含めた一連の艤装、あるいはそのスタイル。帆装。リギンといえば、マストを支えるワイヤー類を指す。リガーといえばそれらを製造、設置、あるいは整備する人。『セーリング設備規則』(The eq...
セール【sail】
風を受けて前進推力とするための帆のことだが、バーゲンセールなどsale(販売)をセールと書くので、こちらヨットの帆(sail)は「セイル」と表記することもある。現在のヨット界では「帆(ほ)」という呼称はまず使わないが、「帆走(はんそう)」...
ラダー【rudder】
舵。主として船尾水中に取り付けられる、船の向きを変えるための平面または翼型断面を持つ板。軸によって左右に回転させ、回頭や直進安定性を保ち、横流れを抑える役目も負う。また、操舵装置すべてをひっくるめて舵という場合もある。...
ヨットはなぜ風上に進むのか?
どうよう【動揺】
船が揺れること。横揺れ(ローリング)、縦揺れ(ピッチング)、左右への振れ(ヨーイング)の3軸による揺れ。左右(スウェイング)、前後(サージング)、上下(ヒービング)の往復運動に分けられる。
フィン・キール【fin keel】
ヨットのバラスト・キールで、ひれのように薄いもの。船体のカーブと繋がったようなディープ・キールに対して、こういう。現在のセーリング・クルーザーは、ほとんどがフィン・キールだ。風で走るヨットが風上に向かって進むことができるのは、フィン・キー...
ふくげんりょくしょうしつかく【復原力消失角】
復原力が消失する時の傾斜角度。これ以上傾くと転覆する。一般的な外洋ヨットでは100°から、大きいもので130°くらい。これが180°、すなわち真っ逆さまになっても起きあがる船をセルフライティングという。逆にマルチハル艇では180度で安定し...
アップウインド【up-wind】
風上にある目的地に向けてクローズホールドでタッキングを繰り返しながら進むこと。そのコース。ビーティング(beating)、ビート(beat)ともいう。日本語なら風上航、真上り(まのぼり)。つめ、とも。
ブイ・エム・ジー【VMG】
Velocity Made Good。クローズホールドで走るヨットの風上方向の速力成分。いくら艇速が速くても、角度が悪ければVMGは悪くなる。また高さを稼いでも速力が遅ければVMGは下がる。角度と艇速を加減し、最もVMGが高い状態で走るこ...
みかけのかぜ【見かけの風】
アパレント・ウインド。無風状態の時でも、船が走ると前から風を受ける。これが見かけの風。風を受けて走るヨットも、自分が走ることによって生じる風と実際に吹いている風を合成したものを艇上で感じている。クローズホールドでは風は強く感じ、ランニング...
モノハルとマルチハル
カタマラン【catamaran】
双胴艇。語源はタミル語のkatta-maram(tied wood、縛った木材)らしい。現在のカタマラン・ヨットは、スマートな形状のものが多い。幅が広い分、初期復原力が大きくなるため、バラスト・キールがいらない。すなわち軽量でスピードが出...
トリマラン、トライマラン【trimaran】
三胴艇。双胴艇(カタマラン)も含め、多胴艇(マルチハル)ともいう。大洋レース用の大型トライマランは驚異的なスピードを持つ。狭い場所にも保管できるよう、左右のフロートを主船体に引き寄せることができる小型艇も量産されている。