セールボートがそれ以上、風上に向かっては走れない状態。「上り」、地域によっては「ツメ」ともいう。そのまま目的地に到達ができるようなら「片上り」。タッキングを繰り返さなくてはならないようなら「真上り」、「マッツメ」となる。
-ヨットは何故風上に進めるのか-
クローズホールドは真風向に対して約45度くらいまで。つまり風の力のみを使って走っているにもかかわらず、風に向かって進むことができる。
ここからタッキングして左右ジグザグに走る事で風上の目的地に到達できる。
ヨットのセールは飛行機でいえばエンジンの役割で、前に進むための推進力となる。
セールから発生する揚力は風下側に向いているため、その前進成分は僅かだ。
その僅かな前進成分を推力として前に進むことで水中にあるセンターボードやフィンキール、あるいはラダーや船体そのものから揚力が発生。この揚力は風上側に向かって生じる。海水の密度は空気の800倍もあるため、翼型断面でなくても僅かな迎角(ここではリーウエイ角)でも大きな揚力となる。
飛行機で言えば翼から発生する揚力で重力に逆らって宙に舞うように、ヨットは水中にあるセンターボードなどから発生する揚力によって風に逆らって風上へ向かって進むことができる。