片側にだけ主船体より小さな艇体/浮力体(アウトリガー)を設けた左右非対称な帆走アウトリガー・カヌー(Outrigger canoe)のこと。太平洋諸島に広く見られる。
同じ形の船体を2つ横に繋いだカタマランから進化した形態と考えられており、左右は非対称だが前後は対称つまり船体のどちらも船首あるいは船尾となる。常にアウトリガーを風上にして帆走。タッキング(shunt、Shuntingと呼ぶ)すると船の前後が入れ替わる。
東アジア島嶼部では、左右両舷にアウトリガーを備えるダブル・アウトリガー(トリマラン)が多く見られるようで、こちらはperahu、prau、prahu、paraw、prow等と呼びわけられるという記述もある。
パドルで漕ぐなり船外機をつけるなどして釣りや移動などの実用にあるいは漕艇競技も行われているが、セーリング艤装の無いものはproaとは呼ばず、単にアウトリガー・カヌー(Outrigger canoe)とされる。……と、長い歴史を持ち広い範囲に存在・現存する乗り物故、その名称にハッキリとした定義づけはされていないようだ。
【OSR 1.01.1】で、
……for monohull and multihull(excluding proa [asymmetrical catamaran])
という記述があったので、改めて“ヨット用語”として掲載した。