風上/風下の意。「うえした」「じょうげ」ではなく、かみしも。カミシモと書くこともある。
海事用語で右はスターボード、左はポートだが、デッキの上でもキャビンの中でも、ポート/スターボと共に風上/風下で区別することも多い。たとえば、「ポート側のロッカー」を「上(かみ)のロッカー」といったりする。これは上段のロッカーではなく、風上舷にあるロッカーのこと。当然、タックが変われば上下も変わってしまうが、それでも走るヨットの上では上下で呼び分けた方がピンとくるようだ。キャビンの中にいても、どちらが風上か体で感じているということ。
風向自体はたえず変化しており風軸は曖昧だ。どちらが風上舷か風下舷か微妙なケースもある。ヨット・レースではルール(RRS)で正確に定義しなければならないので、風上と風下を、
風下と風上
『RRS 2021-2024』
艇の風下側とは、風向から遠い側をいい、また風位に立っている場合、それまで風向から遠かった側をいう。ただし、バイ・ザ・リーまたは真風下方向に帆走している場合、メインセールの出ている側を風下側という。(以下略)
と定義している。