ヒーブ・ツー【heave to】

セールを揚げたまま船を止めて漂泊すること。

タッキングの要領で風に立てた後、ジブシートはリリースせずにそのまま逆ジブにしてバウダウン。舵は戻して風下側に切る。
艇の性格やメインセールとヘッドセールのコンビネーションによって、メインシートは引き込む、全部出す、ある程度出す、と調節すると、船は風を斜め前に受けて止まり、安定し、風下側45゚くらいの方向にゆっくり流れていく。単にセールを全部降ろして漂うと波で大きく揺れてかえって安定しなくなるが、ヒーブツーなら波の当たりも弱まり風の唸りも納まり、艇上は落ち着く。
『用語辞典』によれば、

ライ・ツー(lie to, lying to)は、ヒーブ・ツーの同義語と考えてよいが、ライ・ツーという言葉は、英米では使われなくなっている。

『ヨット、モーターボート用語辞典』

とある。

ライ・アハル、ライイング・アハル【lie ahull, lying ahull】
荒天時に、セールをすべて降ろして漂うこと。セールを揚げたままで漂うのはヒーブ・ツーだが、『ヨット、モーターボート用語辞典』には、ライ・アハルを、ヒーブ・ツーと同じ意味に使うこともあるが、特に荒天をしのぐ運用としては、小さな帆を上...
ベア・ポール【bare poles】
荒天時などに、すべてのセールを降ろして走ること。もちろん風下に向かってしか走れないが、マストやリギンにあたる風圧だけでかなりのスピードが出ることがあり、ドローグを流すなどの対処も必要になる。ベア・マストともいう。
ドローグ【drogue】
荒天時に使うもので、シー・アンカーは船首から流して風に立てるために使うが、ドローグは艇速を抑えるために船尾から流す抵抗物。シー・アンカーを使うかドローグを使うかは、船の性格や海の状況によって異なり、一概にはいえない。実際にその場に遭遇した...
シー・アンカー【sea anchor】
長いロープの先に付けて水中に流し、海水を抱え込んで錨の代わりをさせるパラシュートのような船用品。荒天対処の手段として用いられることが多いが、それぞれの船の性質によって使い方、効果が異なる。
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